結論(30秒でわかる)

向いている人

  • てんかんを持つ子どもの保護者で、発作の様子や服薬履歴を無料アプリで記録し、通院時に医師へ正確に伝えたい人(後述のとおり動画・タイマー・1タップなど4種類の記録方式と服薬履歴機能を無課金で使えます)
  • 通院先が「nanacara for Doctor」を導入している連携病院で、診察時に記録データをそのまま医師と共有したい人(後述のとおり全国150施設超のてんかん専門医と連携しています)
  • 課金を一切気にせず使いたい人(後述のとおりApp内課金は一切ありません)

向いていない人

  • てんかんの当事者本人が、自分自身の発作を自分で記録したい人(後述のとおり本文付きレビュー29件のうち複数件が「患者本人ではなく家族向けの仕様」と指摘しています)
  • 発作の記録を医療上の重要な証跡として、絶対に失いたくない人(後述のとおり「アップデート後に過去の記録が消えた」という報告が複数件あります)
  • 通院先の病院がアプリと連携していない、または成人発症・高齢発症のてんかんで子ども向け設計に違和感がある人(後述のとおり医療連携は病院側の対応状況に左右され、対象年齢についての不満投稿もあります)

nanacaraとはどんなアプリか

項目内容
アプリ名nanacara(ナナカラ) てんかん発作管理
開発元ノックオンザドア株式会社(法人)
価格無料(App内課金なし)
App Store評価★3.14(56件)
リリース2020年3月17日
最新バージョン6.1.3(2026年8月19日更新)
対応OS / サイズiOS 15.1以上 / 91MB
年齢レーティング4+
カテゴリヘルスケア/フィットネス、メディカル

(以上、App Store公式ページ掲載情報、2026年9月6日取得)

App Store説明文によれば、nanacaraは「てんかんをお持ちのお子さんとそのご家族」が、発作の様子・服薬履歴・日々の体調を記録・管理し、家族間で共有できるアプリです。主な機能は3つあります。①発作記録機能(動画・タイマー・1タップ・まとめて記録の4方式)、②服薬履歴機能(処方薬の現在・過去の記録)、③「Dr.とつながる機能」(全国150施設を超えるてんかん専門医との連携で、対応病院での診察時に記録データを医師と共有できる)です。開発元のノックオンザドア株式会社は「患者家族の皆さまと共に開発を続けています」と説明文に明記しており、実際の利用シーンを想定した機能検討を継続しているとしています。本文の数値・機能に関する記述はすべてApp Store公式ページの掲載情報(2026年9月6日取得)にもとづいています。なお開発元の公式サイトは本記事の調査環境ではネットワーク制限により直接アクセスできなかったため、料金・課金構造については後述のとおりApp Store公式ページの記載のみを典拠としています。

課金構造を分解する

App Store公式ページの「App内課金」欄を確認したところ(2026年9月6日取得)、App内課金は一切表示されていません。iTunes Lookup APIで取得したメタデータでも価格は0円(無料表示)のみで、サブスクリプションや広告非表示アイテムといった課金導線は確認できませんでした。

発作記録(動画・タイマー・1タップ・まとめて記録の4方式)、服薬履歴、家族間の記録共有、連携病院の医師とのデータ共有まで、App Store説明文に記載された機能はすべて無課金で利用できる建て付けです。同種の症状記録・体調管理アプリでは「基本無料+月額プランでグラフ機能や医師共有機能を解放」という段階課金にするケースが本サイトの既公開記事(禁酒タイマー・気圧頭痛予測など)でも見られますが、nanacaraにはそうした機能制限型の無料版という区分自体がありません。

一方で、説明文には「nanacara for Doctor」という医療機関側の連携ツールの存在も記載されています。これは患者・家族が使う本アプリとは別の仕組みで、料金体系や導入条件はApp Store公開情報からは確認できません。開発元の収益構造についての推測は本サイトの方針上行いませんが、患者家族が使う範囲に限れば、6年以上運営を続けながら課金導線を一切持たないアプリである、という事実は指摘できます。

レビュー29件を分析してわかったこと

App Store公開データ(2026年9月6日取得)によると、本アプリの評価件数(★の数のみ)は56件、平均★3.14です。App StoreレビューRSSで本文付きのレビューを29件取得できました。500件規模の定量分析を行う他記事とは前提が大きく異なる少数サンプルである点を先にお断りしておきます。

29件の★分布は次のとおりです(取得できた本文付きレビューの範囲。★の数のみの評価56件全体とは母集団が異なります)。

★評価件数比率
★52件6.9%
★47件24.1%
★38件27.6%
★25件17.2%
★17件24.1%

29件の範囲で読み取れる傾向は次の3点です。

① 「ワンタップ・タイマー自動カウント」の使いやすさと、医師への報告のしやすさを評価する声が一定数ある。 「操作がわかりやすくて便利」「アプリを開いた時からタイマーがカウントされているのでとてもありがたい」のように、発作の記録しやすさそのものを評価する投稿が4件、「発作グラフは医師に発作の状況を報告する際にとても便利」のように通院時の説明資料としての価値に触れた投稿が3件ありました。ある投稿では、猫がてんかんと診断され獣医から記録を勧められた際にこのアプリを転用した、という人間向けアプリの意外な使われ方も確認できました。

② 「アップデート後に過去の記録が消えた」という報告が、異なるバージョン・異なる時期に複数件ある。 バージョン5.0.1利用時に「2024年1月以前までの発作記録が消えてしまった」、バージョン3.0.0利用時に「3月9日以前の記録が全部消えてしまいました」という報告がそれぞれ独立して投稿されています。医療記録として発作の履歴を残すことを主目的とするアプリでこの種の報告が複数バージョンにまたがって存在する点は、導入前に把握しておくべき事実です。

③ 「新規登録・ログインができない」という報告が3件、加えて再ログインを求められる不便さの指摘が2件ある。 バージョン1.1.0・1.0.1・5.4.1という異なる時期のバージョンで、それぞれ独立して「患者さん情報の登録から進みません」「パスワードが一致しません、が永遠に出て進みません」「ユーザー登録が出来ず使えません」という趣旨の投稿があり、登録処理の不具合が年単位で解消しきれていない可能性がうかがえます。これとは別に「しばらく使ってないとログイン画面になり、急いでいる時に出ると不便」「画面が真っ白になり記録がつけられない」といった、動作の不安定さを指摘する投稿も3件ありました。

このほか、「患者本人ではなく家族(保護者)が記録する仕様」であることへの不満も4件確認できました。てんかんと診断された成人の当事者や、一人暮らしで自分の発作を自分で記録したい患者本人から「本人が使う仕様ではない」「患者本人は使用できない」という投稿が繰り返され、うち1件は「お子さま」という表記から対象が子どもに限定されているように見え、老人性てんかんなど成人・高齢発症のケースへの対応を求める声もありました。連携病院での医師共有機能についても、「ご利用できる医療機関」に名前が載っている病院でも、病院側が端末を用意していない等の理由で実際には連携できなかった、という報告が1件あり、医療連携の可否は病院側の運用状況に依存する点がうかがえます。

競合アプリとの比較

iTunes Search APIで「てんかん発作」「発作記録」を検索したところ(2026年9月6日取得)、興味深い市場構造が見えました。同種の発作記録・症状トラッカーとして、Seizly・Seizurely・てんかん記録帳(Selova)・エピ日記(Epi Nikki)・通院ノートなど複数のアプリがヒットしましたが、そのほとんどが2026年に入ってからリリースされた新しいアプリで、評価件数がいずれも0件でした。同じ検索結果には片頭痛トラッカーや痛風記録アプリなど類似ジャンルの新規アプリも多数含まれており、この種のシンプルな症状記録アプリが2026年に入って急増している市場であることがうかがえます。

項目nanacara(本記事)同検索でヒットした同種アプリ群
評価件数56件(本文付き29件)確認できた範囲ではいずれも0件
リリース〜運営期間2020年3月〜(6年以上)大半が2026年リリースの新規アプリ
直近の更新2026年8月19日(v6.1.3)更新実績が乏しく判断材料が少ない
医療機関との連携全国150施設超のてんかん専門医と連携(説明文記載)確認できた範囲では同種の連携機能の記載なし
価格無料・App内課金なし確認できた範囲ではいずれも無料表示

(iTunes Search APIおよびApp Store公式ページの確認、2026年9月6日取得。評価0件のアプリは実際の利用実態・品質を検証する材料がないため、機能の優劣を断定するものではありません)

評価0件のアプリが実際にどの程度使われ、どの程度安定しているかは検証しようがありません。その点を差し引いても、6年間にわたって実際のユーザーからのレビューが積み重なり、医療機関との連携という他に確認できなかった機能を持つnanacaraは、この市場の中では相対的に実績のある選択肢だといえます。ただし「実績がある」ことと「不具合が少ない」ことは別軸であり、前述のとおり本文付きレビュー29件の範囲でも記録消失・登録不具合の報告が複数あった点は踏まえておく必要があります。

無料版はどこまで使えるか

  • 発作記録(動画・タイマー・1タップ・まとめて記録の4方式)、服薬履歴機能、家族間の記録共有、連携病院の医師とのデータ共有まで、App Store説明文に記載された機能はすべて無課金で利用できます
  • App Store公式ページの確認(2026年9月6日取得)ではApp内課金の商品は一切表示されておらず、機能制限のある「無料版」と「有料版」の区分自体がありません
  • ただし「使える機能の範囲」とは別に「誰が使う前提の設計か」という制約があります。前述のとおり、本アプリは患者(お子さん)本人ではなく、家族(保護者)が記録する仕様を前提に作られていることをうかがわせるレビューが複数あり、成人・高齢のてんかん患者本人が単独で使うことを想定した機能は、App Store公開情報からは確認できませんでした

アプリの利用をやめたい場合

本アプリにはApp内課金が一切なく、月額・年額のサブスクリプションも存在しません。そのため「解約」という概念自体がなく、利用をやめたい場合はアプリを削除するだけで完了し、課金トラブルによる返金対応を心配する必要もありません。

一方で、記録した発作履歴や服薬履歴といった医療情報を含むアカウントデータの削除・退会については、App Store説明文の中に自己完結型の削除手順は明記されていませんでした。説明文には機能要望・不具合報告の問い合わせ先として開発元のメールアドレス([email protected])が記載されているため、アカウントデータの削除を希望する場合はこの窓口に問い合わせるのが確認できる範囲では最も確実な方法です。

よくある質問

Q. nanacaraは無料で使える?

A. はい。App Store公式ページの確認(2026年9月6日取得)でApp内課金は一切表示されておらず、発作記録・服薬履歴・医師との連携機能を含むすべての機能が無料で利用できます。

Q. どんなことができるアプリ?

A. てんかんを持つ子どもの発作の様子を動画・タイマー・1タップ・まとめて記録の4方式で記録し、服薬履歴とあわせて家族間で共有できます。全国150施設超の連携病院では、診察時に記録データを医師と直接共有できる機能もあります(App Store説明文に基づく)。

Q. 患者本人が自分で発作を記録することはできる?

A. 本文付きレビュー29件のうち複数件が「患者本人ではなく家族向けの仕様」という趣旨の投稿をしており、成人・高齢発症のてんかん患者本人が単独で利用することを想定した機能はApp Store公開情報からは確認できませんでした。正確な仕様や今後の対応予定は、開発元への問い合わせで確認することをおすすめします。

Q. アプリが重い・落ちるという声は本当?

A. 本文付きレビュー29件のうち3件で、動作が重い・画面が真っ白になる・アプリが落ちるといった趣旨の報告がありました。件数は多くありませんが、発作という突発的な出来事を記録する用途では影響が大きい不具合です。

Q. 記録したデータが消えることはある?

A. バージョン5.0.1・3.0.0利用時にそれぞれ「アップデート後に過去の発作記録が消えた」という趣旨の投稿が確認できました。異なる時期・異なるバージョンで独立して報告されているため、大切な記録は写真・手書きノートなど別の手段でも並行して残しておくことをおすすめします。

まとめ

nanacaraは、てんかんを持つ子どもの発作記録・服薬履歴を家族が無料で管理し、連携病院の医師と共有できる、6年以上運営が続く医療記録アプリです。同種の発作記録アプリの多くが2026年に入って新規参入し評価0件にとどまる中、実際のユーザーレビューと医療機関連携という実績を持つ点は、この市場では貴重な存在といえます。その一方で、本文付きレビュー29件の範囲では「記録が消えた」「登録ができない」という、医療記録アプリとしては軽視できない不具合報告が複数あり、また患者本人ではなく家族向けの設計であるという制約もあります。導入する際は、これらの実態を踏まえたうえで、大切な記録をアプリだけに依存しすぎない運用を検討することをおすすめします。

本サイトでは他にも、特定の症状・体調を記録することに特化した個人開発・小規模開発のアプリを取り上げています。低気圧による頭痛の予測と記録に特化したweather painsのレビューや、開発停止から8年が経っても使われ続ける緑内障手帳のレビュー、看護現場の点滴滴下計算に特化した滴下計算のレビューもあわせてどうぞ。


本記事の数値データはすべて2026年9月6日にApp Store公開データおよびiTunes Search/Lookup APIから取得したものです。開発元の公式サイトは調査環境のネットワーク制限により確認できなかったため、料金・機能に関する記述はすべてApp Store掲載情報にもとづいています。本文付きレビューは29件と、評価件数56件に対しサンプルが限られるため、断定的な結論は避け、確認できた範囲での傾向として記載しています。本記事は医療上のアドバイスを目的としたものではなく、アプリの機能・評判の紹介にとどまります。てんかんの症状・治療に関する判断は必ず主治医にご相談ください。レビューポリシーは運営者情報、広告の取り扱いはPR表記ポリシーをご覧ください。